認知行動療法とは
(にんちこうどうりょうほう)
認知行動療法(CBT)とは、「考え方(認知)」と「行動」のパターンを見直すことで、感情やストレスを改善していく心理療法です
※(CBT: Cognitive Behavioral Therapy)
多くの研究で効果が確認されており、特に次のような問題に広く使われています
- うつ病
- 不安障害
- パニック障害
- 強迫性障害
- ストレスや人間関係の悩み
保存日2024年11月28日(木)菰野図書館にてのコピー-scaled.jpeg?resize=710%2C164&ssl=1)
⚫︎基本の考え方(心の仕組み)
認知行動療法(CBT)では、次の3つが互いに影響すると考えます
出来事 → 考え方 → 感情 → 行動
例えば・・・
|
出来事 |
考え方 |
感情 |
行動 |
|
上司に注意された |
「自分はダメだ」 |
落ち込み |
人を避ける |
認知行動療法(CBT)では考え方(認知)を、見直していきます
例えば・・・
- 「自分はダメだ」
→ 「今回はミスしたけど、全部がダメなわけではない」
すると
- 感情:落ち込みが軽くなる
- 行動:次の改善を考える
という変化が起こりやすくなります
⚫︎認知行動療法(CBT)で行う主な方法
1. 認知再構成(考え方の修正)
自動的に浮かぶネガティブな考えを見つけ、より現実的な考えに変える
例えば・・・
- 「失敗した → もう終わりだ」
- →「失敗はしたが、次に活かせる」
2. 行動実験
実際に行動して、考えが本当か検証する
例えば・・・
「人前で話すと絶対笑われる」
→ 実際に話してみる
→ 今回は笑われなかった
→ 意外と問題なかった
3. 行動活性化
落ち込んで行動が減っているときに、少しずつ活動を増やす
例えば・・・
- 散歩
- 趣味
- 人と会う
⚫︎認知行動療法(CBT)の特徴
メリット
- 科学的根拠が多い
- 具体的で実践的
- 比較的短期間(数週間〜数ヶ月)
特徴
- 宿題(ワーク)が出ることが多い
- 自分で考え方を観察する練習をする
さらに詳しく↓
認知行動療法(CBT)は自分でも練習できる心理トレーニングです。ここではできるだけわかりやすく、3つのテーマを順番に説明します
認知行動療法(CBT)の基本は「考え方を観察 → 別の見方を考える」です
一番有名なのが コラム法(思考記録表) です
【5ステップ】
① 出来事を書く
まず事実だけを書きます
例えば・・・
- 上司に仕事のミスを指摘された
② 感情を書く
その時の感情と強さ
例えば・・・
- 落ち込み 80%
- 不安 60%
③ 自動思考(頭に浮かんだ考え)
例えば・・・
- 自分は無能だ
- もう信頼されない
この瞬間的に浮かぶ考えを
認知行動療法(CBT)では自動思考と呼びます
④ 別の見方を考える
ここが認知行動療法(CBT)の一番大事な部分です
質問してみます
- 本当に100%そうなのか?
- 他の人ならどう考える?
- 証拠はある?
例えば・・・
- 誰でもミスはする
- 他の仕事は評価されている
- 修正すれば問題ない
⑤ 新しい考え
例えば・・・
- 今回ミスしただけ
- 次に気をつければいい
すると感情が
- 落ち込み80% → 40%
くらいに下がることが多いです。これを何回も練習します
【5ステップ】まとめ
例えば・・・
| ① 出来事を書く(事実だけを書きます) |
|
| ② 感情を書く |
|
| ③ 自動思考(頭に浮かんだ考え) |
|
| ④ 別の見方を考える |
|
| ⑤ 新しい考え |
感情的には・・・
|
人間の脳は自動的に偏った考えを作ることがあります。これを思考の歪みと言います
① 全か無か思考
白黒思考
例えば・・・
- 完璧じゃない → 失敗
② 過度の一般化
1回の出来事で全部を判断。
例えば・・・
- 失敗した → 自分はいつもダメ
③ 心のフィルター
悪い部分だけ見る。
例えば・・・
- 10人中1人に否定された → 全部ダメ
④ 良いことを無視
ポジティブを認めない。
例えば・・・
- 「たまたまだ」
⑤ 結論の飛躍
証拠なしで決めつけ。
例えば・・・
- 嫌われているに違いない
⑥ 心の読みすぎ
相手の考えを決めつけ。
例えば・・・
- あの人は私をバカにしている
⑦ 未来予測
悪い未来を決めつける。
例えば・・・
- 絶対うまくいかない
⑧ 拡大・縮小
悪いことを大きく
良いことを小さく
⑨ 感情的決めつけ
感情=事実
例えば・・・
- 不安 → 危険に違いない
⑩ べき・ねば思考
「〜すべき・〜あらねば」
例えば・・・
- 完璧にやるべき
- こうであらねば
ほとんどの人が1日何十回もこの思考をしています。認知行動療法(CBT)はそれに気づく訓練です
⚫︎有名な「思考の歪み」10種類まとめ
| 項目 | 特徴 | 例 |
| ① 全か無か思考 | 白黒思考 |
|
| ② 過度の一般化 | 1回の出来事で全部を判断 |
|
| ③ 心のフィルター | 悪い部分だけ見る |
|
| ④ 良いことを無視 | ポジティブを認めない |
|
| ⑤ 結論の飛躍 | 証拠なしで決めつけ |
|
| ⑥ 心の読みすぎ | 相手の考えを決めつけ。 |
|
| ⑦ 未来予測 | 悪い未来を決めつける。 |
|
| ⑧ 拡大・縮小 | 悪いことを大きく 良いことを小さく |
|
| 感情的決めつけ⑨ | 感情=事実 |
|
| べき・ねば思考⑩ | 「〜すべき・〜あらねば」 |
|
うつ状態では次の思考パターンが増えます
- 自分はダメ
- 未来は暗い
- 誰にも必要とされない
※心理学者のアーロン・ベックが提唱した、うつ病の患者によく見られる3つの否定的のパターンのことを「うつの認知三徴(さんちさんちょう)」と言います
① 自分(自己に対する否定的な見方・自信をなくす)
自分は価値がない
自分はダメな人間だ
② 世界(否定的・悲観的にとらえる)
世の中は厳しい
世間は冷たい
③ 未来(否定的・悲観的に見る)
未来は絶望
この苦しさは一生続く
⚫︎認知行動療法(CBT)治療例
例えば・・・
出来事として、休日に何もしなかった
思考:自分はダメ人間
感情:絶望
◇認知行動療法(CBT)では自分に質問します
- 本当にダメ人間?
- 疲れていただけでは?
◇新しい考えで、考えてみる
- 休養も必要
- 少しずつ動けばいい
◇さらに行動療法も行います。これを行動活性化と言います
例えば・・・小さい行動を増やす
- 5分散歩
- シャワー
- コンビニに行く
- 窓を開ける
◇重要なポイント
行動 → 気分が改善です
うつでは
「気分」 →「 行動」ではなく
「行動」 →「 気分」の順番に変えます
⚫︎まとめ
認知行動療法(CBT)の核心は3つです
① 考えを疑う
② 別の見方を作る
③ 小さく行動する
これを続けると「不安」「落ち込み」「自己否定」が少しずつ減っていきます
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