ゲシュタルト療法とは
(げしゅたるとりょうほう)
ゲシュタルト療法(Gestalt Therapy)とは、今この瞬間の体験(感情・身体感覚・思考)に意識を向けることで、自分自身への気づきを深める心理療法です。
期待できる効果として、自分への“気づき”が深まり、その結果として生き方や感じ方が変わることで自己理解が深まり、自己愛が深くなってきます。
ただし、薬のように「すぐ効く」というより、体験を通してじわじわ変化するタイプの効果です。また、ストレスや不安・感情・対人関係に関わる問題にも、効果が期待できます
保存日2024年11月28日(木)菰野図書館にてのコピー-scaled.jpeg?resize=710%2C164&ssl=1)
⚫︎基本の考え方
ゲシュタルト療法では、「人は全体(ゲシュタルト)として理解されるべき」という立場をとります。つまり、思考・感情・身体・行動はバラバラではなく、ひとつのまとまりとして、考えていきます。
特に重視されるのは
・今ここ
過去の原因分析よりも、今この瞬間に何を感じているかに注目
・気づき
自分の感情や行動パターンに気づくことで変化が起こる
・自己責任
自分の選択や感情を他人のせいにせず、自分のものとして引き受ける
⚫︎代表的な心理ワーク
① 空の椅子(エンプティチェア)
対人関係の葛藤を扱うときによく使われます。
目の前の空の椅子に相手がいると想像して対話することで、未解決の感情を表現します。
② 未完了の感情・課題
言えなかったこと・抑えた感情などを扱い、心の中の「引っかかり」を解消します。
③ 身体感覚への注意
「今、体はどう感じている?」など、身体反応から気づきを得ることも重視します。
⚫︎どんな人に向いているか?
・自分の感情がよく分からない
・対人関係で同じパターンを繰り返す
・頭で考えすぎてしまう
・自己理解を深めたい
ゲシュタルト療法は、「変わろうとする前に、まず気づくこと」を大切にするアプローチです。無理に自分を変えるのではなく、「今の自分を深く理解すること」が変化の出発点と考えます。
さらに詳しく↓
⚫︎ゲシュタルト療法が合わない方
① 強い感情に触れるのがつらい性格の方
ゲシュタルト療法は、感情を「その場で感じる」ことを重視します。そのため「まだそこに触れる準備ができていない」状態だと負担が大きいです
・怒り・悲しみ・不安が一気に出てくることがある
・過去のつらい記憶がリアルに蘇ることもある
特に、PTSD などトラウマが強い場合は、慎重な対応が必要です。
② 論理的に整理したいタイプの方
こんな人は少し合いにくいかと思われます
・「原因と対策をはっきり知りたい」
・「具体的な改善方法がほしい」
ゲシュタルト療法は、「答えを教える」のではなく「気づく」のが目的なので、認知行動療法 のように「思考を整理して改善したい」人には、合わないことがあります。
③ 即効性を求める
ゲシュタルト療法は、ゆっくり自己理解を深めていくため、すぐに改善した方には、合いにくいかと思われます
・「すぐ楽になりたい」
・「短期間で症状を減らしたい」
④ 人前で表現するのが極端に苦手
セッションでは「声に出す」「感情を表現する」「動いてみる」といったことをします。
内向的な人や、表現に強い抵抗がある人は、かなりハードルが高い心理ワークかと思います(※ただし無理にする必要はありません。できることからで大丈夫です)
⚫︎ゲシュタルト療法を受ける時の注意点
① カウンセラーとの相性がかなり重要
ゲシュタルト療法はカウンセラーの「やり方」に個人差があります。
カウンセラーと相性が悪いと「圧を感じる」「無理やり感情を出さされる感じがする」などの感じを受けることがあります
そういう場合、「安心して話せるか」を最優先にチェックしてください
② 無理に感情を出そうとしない
大事なのはここです!
感じたくないときは、感じなくてOKです
無理に「泣こうとする」「怒ろうとする」必要はありません。自分のペースを最優先にしてくだい
③ セッション後に疲れることがある
感情を扱うので「どっと疲れる」「ぼーっとする」「気分が揺れる」これは珍しくありません。受けた日は予定を詰めすぎないのがいいと思います
④ 医療が必要な状態の場合は受けない
重い症状(例:重度のうつなど)の場合は、心理療法だけでなく「医師の診断や治療が必要」です。
ゲシュタルト療法は「万能」ではありません。必ず医師と相談の上、受けてください。
ゲシュタルト療法は、 自分を深く理解したい人にはとても有効です。でも、「しんどさ」も伴うこと場合がありますので、注意が必要です
⚫︎ゲシュタルト療法の効果
ゲシュタルト療法の「効果」は、ひとことで言うと、自分への“気づき”が深まり、その結果として生き方や感じ方が変わることです。
ただし、薬のように「すぐ効く」というより、体験を通してじわじわと変化するタイプの効果です。
① 自分の感情がわかるようになる
「なんとなくモヤモヤする」状態から、感情をはっきり認識できるようになることが多いです。
・これは怒りだった
・本当は悲しかった
結果・・・感情に振り回されにくくなる
② 同じ悩みのパターンに気づく
セッションの中で、繰り返しているパターンに気づきます。
・いつも我慢してしまう
・相手に合わせすぎる
・怒れずに溜め込む
気づくだけで、行動が自然に変わることがあります
③ 対人関係がラクになる
自分の本音や感情がわかることで、人間関係のストレスが減りやくなります
・無理に合わせすぎなくなる
・嫌なことを適切に伝えられる
・相手との距離感が整う
④ 自己受容(自分を認める力)が高まる
ゲシュタルト療法は「変える」よりも、今の自分に気づいて、そのまま受け止めることを大切にします。
結果・・・
・「これでいいんだ」と思える
・自己否定が減る
⑤ ストレスや不安の軽減
感情を抑え込まずに感じられるようになると、不安やストレスが軽くなることがあります
・モヤモヤの蓄積が減る
・身体的な緊張もゆるむ
⚫︎他の療法との違い(効果の出方)
例えば・・・
【認知行動療法】
思考を修正 → 症状を軽減(比較的わかりやすい変化)
【ゲシュタルト療法】
気づき → 内面の変化 → 行動が変わる(間接的で深い変化)
⚫︎デメリット的な側面
・効果の出方に、カウンセラーとの関係に左右されやすい
・感情が強く動いて一時的につらくなることがある
・変化に時間がかかる
・明確な「答え」はもらえない
ゲシュタルト療法の効果は、自分に深く気づくことで、無理なく自然に変わっていける心理療法です
・即効性 → △
・深い変化 → ◎
・自己理解 → とても高い
⚫︎最後に、ゲシュタルト療法の有名な詩をご紹介します
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