ゲシュタルト療法

ゲシュタルト療法とは
(げしゅたるとりょうほう)


 

ゲシュタルト療法(Gestalt Therapy)とは、今この瞬間の体験(感情・身体感覚・思考)に意識を向けることで、自分自身への気づきを深める心理療法です。

 

期待できる効果として、自分への“気づき”が深まりその結果として生き方や感じ方が変わることで自己理解が深まり、自己愛が深くなってきます。

 

ただし、薬のように「すぐ効く」というより、体験を通してじわじわ変化するタイプの効果です。また、ストレスや不安感情・対人関係に関わる問題にも、効果が期待できます

 

 

⚫︎基本の考え方

ゲシュタルト療法では、「人は全体(ゲシュタルト)として理解されるべき」という立場をとります。つまり、思考・感情・身体・行動はバラバラではなく、ひとつのまとまりとして、考えていきます。

 

特に重視されるのは

・今ここ
過去の原因分析よりも、今この瞬間に何を感じているかに注目

・気づき
自分の感情や行動パターンに気づくことで変化が起こる

・自己責任
自分の選択や感情を他人のせいにせず、自分のものとして引き受ける

 


 

⚫︎代表的な心理ワーク

空の椅子(エンプティチェア)

対人関係の葛藤を扱うときによく使われます。
目の前の空の椅子に相手がいると想像して対話することで、未解決の感情を表現します。

 

未完了の感情・課題

言えなかったこと・抑えた感情などを扱い、心の中の「引っかかり」を解消します。

 

身体感覚への注意

「今、体はどう感じている?」など、身体反応から気づきを得ることも重視します。

 


 

⚫︎どんな人に向いているか?

・自分の感情がよく分からない

・対人関係で同じパターンを繰り返す

・頭で考えすぎてしまう

・自己理解を深めたい

 

ゲシュタルト療法は、「変わろうとする前に、まず気づくこと」を大切にするアプローチです。無理に自分を変えるのではなく、「今の自分を深く理解すること」が変化の出発点と考えます。

 

 


 

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⚫︎ゲシュタルト療法が合わない方

 

強い感情に触れるのがつらい性格の方

ゲシュタルト療法は、感情を「その場で感じる」ことを重視します。そのため「まだそこに触れる準備ができていない」状態だと負担が大きいです

・怒り・悲しみ・不安が一気に出てくることがある

・過去のつらい記憶がリアルに蘇ることもある

特に、PTSD などトラウマが強い場合は、慎重な対応が必要です。

 

論理的に整理したいタイプの方

こんな人は少し合いにくいかと思われます

・「原因と対策をはっきり知りたい」

・「具体的な改善方法がほしい」

ゲシュタルト療法は、「答えを教える」のではなく「気づく」のが目的なので、認知行動療法 のように「思考を整理して改善したい」人には、合わないことがあります。

 

即効性を求める

ゲシュタルト療法は、ゆっくり自己理解を深めていくため、すぐに改善した方には、合いにくいかと思われます

・「すぐ楽になりたい」

・「短期間で症状を減らしたい」

 

人前で表現するのが極端に苦手

セッションでは「声に出す」「感情を表現する」「動いてみる」といったことをします。

内向的な人や、表現に強い抵抗がある人は、かなりハードルが高い心理ワークかと思います(※ただし無理にする必要はありません。できることからで大丈夫です)

 


 

⚫︎ゲシュタルト療法を受ける時の注意点

 

① カウンセラーとの相性がかなり重要

ゲシュタルト療法はカウンセラーの「やり方」に個人差があります。

カウンセラーと相性が悪いと「圧を感じる」「無理やり感情を出さされる感じがする」などの感じを受けることがあります

そういう場合、安心して話せるかを最優先にチェックしてください

 

無理に感情を出そうとしない

大事なのはここです!

感じたくないときは、感じなくてOKです

無理に「泣こうとする」「怒ろうとする」必要はありません。自分のペースを最優先にしてくだい

 

セッション後に疲れることがある

感情を扱うので「どっと疲れる」「ぼーっとする」「気分が揺れる」これは珍しくありません。受けた日は予定を詰めすぎないのがいいと思います

 

医療が必要な状態の場合は受けない

重い症状(例:重度のうつなど)の場合は、心理療法だけでなく「医師の診断や治療が必要」です。

ゲシュタルト療法は「万能」ではありません。必ず医師と相談の上、受けてください。

 

ゲシュタルト療法は、 自分を深く理解したい人にはとても有効です。でも、「しんどさ」も伴うこと場合がありますので、注意が必要です

 

 


 

⚫︎ゲシュタルト療法の効果

 

ゲシュタルト療法の「効果」は、ひとことで言うと、自分への“気づき”が深まり、その結果として生き方や感じ方が変わることです。

ただし、薬のように「すぐ効く」というより、体験を通してじわじわと変化するタイプの効果です。

 

① 自分の感情がわかるようになる

「なんとなくモヤモヤする」状態から、感情をはっきり認識できるようになることが多いです。

これは怒りだった

・本当は悲しかった

結果・・・感情に振り回されにくくなる

 

② 同じ悩みのパターンに気づく

セッションの中で、繰り返しているパターンに気づきます。

いつも我慢してしまう

・相手に合わせすぎる

・怒れずに溜め込む

気づくだけで、行動が自然に変わることがあります

 

③ 対人関係がラクになる

自分の本音や感情がわかることで、人間関係のストレスが減りやくなります

無理に合わせすぎなくなる

・嫌なことを適切に伝えられる

・相手との距離感が整う

 

④ 自己受容(自分を認める力)が高まる

ゲシュタルト療法は「変える」よりも、今の自分に気づいてそのまま受け止めることを大切にします。

結果・・・

「これでいいんだ」と思える

・自己否定が減る

 

⑤ ストレスや不安の軽減

感情を抑え込まずに感じられるようになると、不安やストレスが軽くなることがあります

モヤモヤの蓄積が減る

・身体的な緊張もゆるむ

 


 

⚫︎他の療法との違い(効果の出方)

例えば・・・

【認知行動療法】 
思考を修正 → 症状を軽減(比較的わかりやすい変化

【ゲシュタルト療法】
気づき → 内面の変化 → 行動が変わる(間接的で深い変化)

 

⚫︎デメリット的な側面

・効果の出方に、カウンセラーとの関係に左右されやすい

・感情が強く動いて一時的につらくなることがある

・変化に時間がかかる

・明確な「答え」はもらえない

 

ゲシュタルト療法の効果は、自分に深く気づくことで、無理なく自然に変わっていける心理療法です

 

・即効性 → △

・深い変化 → ◎

・自己理解 → とても高い

 

⚫︎最後に、ゲシュタルト療法の有名な詩をご紹介します

『ゲシュタルトの祈り』