スキーマ療法

スキーマ療法とは
(すきーまりょうほう)


 

スキーマ療法(Schema Therapy/スキーマセラピー)とは、
長年くり返してしまう生きづらさ・対人関係パターン・感情のクセ」を、根本から変えていくことを目指す心理療法です

 

もともとは 認知行動療法(CBT) をベースに、「愛着理論」「精神分析的アプローチ」「ゲシュタルト療法」などを統合して発展した、心のより深いレベルに働きかける心理療法です

 

 

⚫︎スキーマとは?

幼少期〜思春期の体験から作られた「心の思い込み(人生の設計図)」のことをいいます

例えば・・・

・どうせ自分は愛されない

・失敗したら価値がない

・人に頼ると捨てられる

・完璧でなければならない

 

これらは無意識に働き、

 

同じ人間関係トラブルを繰り返す

自己否定が止まらない

感情が極端に揺れる

などの原因になります

 


 

⚫︎スキーマ療法の目的

単なる「考え方の修正」だけでなく、 感情レベル・体験レベルで、心の傷を癒すことを重視します

 

頭で理解するだけでなく心で納得し、行動が自然に変わるところまで目指していきます

 


 

⚫︎主な特徴

 

◉早期に生きづらい思い込みを特定する。(不健康な思い込みに気づく)

「自分はどんな思い込みを持っているか」を整理する


例えば・・・

  • 見捨てられ不安

  • 人は信用できない・虐待される

  • 欠陥感・恥

  • 失敗感

  • 過度の自己犠牲 など

 

◉ モード(心の状態)にアプローチしていく

人は状況で「モード(人格の一部)」が切り替わると考えます。

例えば・・・

  • 傷ついた子どもモード

  • 怒っている子どもモード

  • 厳しい親モード(内なるダメ出し)

  • 心が健康的な大人モード

「今どのモードが出ているか?」を理解し、心が健康的な大人モードを育てるのが大きな目標になります

 

◉体験的ワークが多い

スキーマ療法の特徴的ポイント。

  • イメージ療法(過去の記憶を書き換える)

  • 椅子を使った対話(内なる親と子どもを対話させる)

  • ロールプレイ

  • 感情への働きかけ

 感情を実際に感じながら癒していきます

 


 

⚫︎どんな人に向いている?

 

特に効果が高いとされるのは

  • 長年同じ悩みを繰り返している

  • 対人関係がいつも苦しい

  • 自己否定が強い

  • トラウマ体験がある

  • 境界性パーソナリティ傾向

  • うつや不安が慢性化している

  • 「頭ではわかるけど変われない」と感じている

 


 

他の療法との違い(簡素版)

療法 焦点
認知行動療法 今の考え・行動の修正
カウンセリング(傾聴中心) 気持ちの整理
スキーマ療法 幼少期からの根本パターンの書き換え

 

スキーマ療法は

より深く・長期的・根治的アプローチをする心理療法になります

また、心の奥にある古い思い込み」を見つけて、優しく書き換える心理療法です。

 

「いつも同じことでつまずく」「性格だから仕方ないと思っている」そんな悩みに特に力を発揮します。

 

 

 


 

さらに詳しく↓

 

スキーマ療法は「話して理解するだけ」の療法ではなく、気づく → 感じる → 癒す → 行動を変えるという “体験型” のステップで進めていきます。

 

ここからは、実際の心理カウンセリングやセルフワークで使われる具体的なやり方・進め方を順番に説明させていただきます。

 

 

🌱 スキーマ療法の全体の流れ(5ステップ)

① スキーマを見つける(気づき・アセスメント)

② モード(心の状態)を理解する

③ 感情レベルで癒す(体験ワーク)

④ 新しい考え・行動を練習する

⑤ 日常で定着させる

 


 

それでは、順番に詳しくいきます。

 

① スキーマを見つける(気づき・アセスメント)

まずは「自分はどんな思い込みを持っているのか?」を言語化します。

 

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⚫︎具体的なやり方

こんな質問を書き出します:

  • なぜかいつも起きる人間関係パターンは?

  • 子どもの頃よく感じていた気持ちは?

  • 親からよく言われた言葉は?

  • 落ち込むとき頭に浮かぶセリフは?

 

ワーク例(お1人で、セルフでやっていただいて大丈夫です)

【紙に書く】

出来事:_____________
その時の気持ち:_____________
頭に浮かんだ言葉:_____________
昔も同じ気持ちになった場_____________

 

⚫︎繰り返し出てくるテーマは、スキーマの候補になります

紙に書くワークで頭に浮かんだ言葉が例えば、「どうせ嫌われる」という言葉が浮かんできたら、それは、「見捨てられる」という思い込みのスキーマがある可能性が高いです

また、 「完璧じゃないとダメ」という言葉が浮かんできたら、それはご自身に対して、「自分を律して厳しくしないと」という思い込みのスキーマがあるということになります

 


 

② モード(心の状態)を理解する

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スキーマ療法では「人の中には、いくつかの人格パーツ(モード)がある」と考えます。

 

⚫︎【代表的モード】

モード 中身
傷ついた子ども 不安・寂しい・助けてほしい
怒りの子ども キレる・衝動的
厳しい親(インナーペアレント) ダメ出し・自己否定
心が健康的な大人 落ち着き・思いやり・現実的判断

 

⚫︎まずは「今どのモード?」と、ご自身にラベリングをしていきます

例えば・・・

  • 上司に注意された!→ 「自分は注意されて無価値だ」→ 自分自身に対して厳しい親モード

  • LINE既読無視された → パニックなった → 傷ついた寂しい子どもモード

ご自分が今どのモードか、気づくだけでも感情は弱まっていきます

 


 

③ 感情レベルで癒す(体験ワーク:ここが核心の重要なワーク!)

ここがスキーマ療法の最大の特徴!

「頭」ではなく「感情」を直接癒していきます。

 

 

⚫︎【方法1】 イメージの書き換え(Imagery Rescripting)

 

【超重要ワーク】やり方

1.子どもの頃のつらい記憶を思い出す

2.その場面をリアルにイメージ

3.今の自分(心が健康的な大人)が登場

4.子どもの自分を助ける・守る・慰める

 

例えばイメージの中で・・・

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◉子どもの頃の自分が怒鳴られている →今の大人の自分が止めに入る。

◉子どもの頃の自分が一人で泣いている →今の大人の自分が 抱きしめてあげる


この超重要ワークをやり続けていくと、心がもう安全だと学習していきます

また、トラウマの感情が軽くなる人が多くいらっしゃいます

 

⚫︎【方法2】 椅子ワーク(チェアワーク)

椅子を2つ置いて対話するワークです

例えば・・・

  • 椅子A:厳しい親モード

  • 椅子B:傷ついた子どもモード

  • 第三者役:見守っている大人

 

交互に座って会話をしていきます

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(椅子A:親役)「お前はダメだ」
(椅子B:子の役)「そんな言い方は傷つく」
(第三者役:見守っている大人)
・椅子Aの親役に対して「その言い方はやめよう」
・椅子Bの子の役に対して「ちゃんと自分の気持ちを言えたね」って褒めてあげる

この超重要ワークをやり続けていくと、「内なる自己批判」が弱まっていきます

 


 

④ 新しい考え・行動を練習する

ここで初めて「認知行動療法的」な練習を始めていきます

例えば・・・

  • NOと言う練習

  • 頼る練習

  • 完璧をやめる課題

  • 小さな成功体験を積む

また、スキーマ(根っこにある思い込み)と逆の行動をあえてやる。これは 行動実験 と呼んだりもします

 


 

⑤ 日常で定着させる

コツは毎日少しずつが超大事です!(しかしできない時もOK!ゆるくいく)

おすすめ・・・

  • 感情日記を書く

  • モードチェック(今どれ?)

  • 自分への優しい声かけ(※セルフコンパッション)
    ※「セルフコンパッション(self-compassion)」とは、自分への慈しみや思いやりを意味します。 他者を思いやるように、自分自身のことを大切に扱い、落ち込んだときや失敗したときにも、自分を責めるのではなく、受け入れて寄り添うことで、前向きな気持ちを取り戻しやすくなる心理的スキルです。

 

例えば・・・

✕「また失敗した…最低」
〇「今日はつらかったよね、でもよく頑張ったね」

この言い換えが「心が健康的な大人モード」を育てていきます

 


 

🌿 まとめ(シンプル)

スキーマ療法とは「心の奥の子どもを助ける治療」ともいえます


① 気づく

② モードを知る

③ 感情を癒す(イメージ・椅子)

④ 行動を変える

⑤ 習慣化

 

スキーマ療法は内なる子供を癒していきますので、インナーチャイルド療法に近いところもあります