スキーマ療法とは
(すきーまりょうほう)
スキーマ療法(Schema Therapy/スキーマセラピー)とは、
「長年くり返してしまう生きづらさ・対人関係パターン・感情のクセ」を、根本から変えていくことを目指す心理療法です
もともとは 認知行動療法(CBT) をベースに、「愛着理論」「精神分析的アプローチ」「ゲシュタルト療法」などを統合して発展した、心のより深いレベルに働きかける心理療法です
保存日2024年11月28日(木)菰野図書館にてのコピー-scaled.jpeg?resize=710%2C164&ssl=1)
⚫︎スキーマとは?
幼少期〜思春期の体験から作られた「心の思い込み(人生の設計図)」のことをいいます
例えば・・・
・どうせ自分は愛されない
・失敗したら価値がない
・人に頼ると捨てられる
・完璧でなければならない
これらは無意識に働き、
「同じ人間関係トラブルを繰り返す」
「自己否定が止まらない」
「 感情が極端に揺れる」
などの原因になります
⚫︎スキーマ療法の目的
単なる「考え方の修正」だけでなく、 感情レベル・体験レベルで、心の傷を癒すことを重視します
頭で理解するだけでなく、心で納得し、行動が自然に変わるところまで目指していきます
⚫︎主な特徴
◉早期に生きづらい思い込みを特定する。(不健康な思い込みに気づく)
「自分はどんな思い込みを持っているか」を整理する
例えば・・・
-
見捨てられ不安
-
人は信用できない・虐待される
-
欠陥感・恥
-
失敗感
-
過度の自己犠牲 など
◉ モード(心の状態)にアプローチしていく
人は状況で「モード(人格の一部)」が切り替わると考えます。
例えば・・・
-
傷ついた子どもモード
-
怒っている子どもモード
-
厳しい親モード(内なるダメ出し)
-
心が健康的な大人モード
「今どのモードが出ているか?」を理解し、心が健康的な大人モードを育てるのが大きな目標になります
◉体験的ワークが多い
スキーマ療法の特徴的ポイント。
-
イメージ療法(過去の記憶を書き換える)
-
椅子を使った対話(内なる親と子どもを対話させる)
-
ロールプレイ
-
感情への働きかけ
感情を実際に感じながら癒していきます
⚫︎どんな人に向いている?
特に効果が高いとされるのは
-
長年同じ悩みを繰り返している
-
対人関係がいつも苦しい
-
自己否定が強い
-
トラウマ体験がある
-
境界性パーソナリティ傾向
-
うつや不安が慢性化している
-
「頭ではわかるけど変われない」と感じている
他の療法との違い(簡素版)
| 療法 | 焦点 |
|---|---|
| 認知行動療法 | 今の考え・行動の修正 |
| カウンセリング(傾聴中心) | 気持ちの整理 |
| スキーマ療法 | 幼少期からの根本パターンの書き換え |
スキーマ療法は
より深く・長期的・根治的アプローチをする心理療法になります
また、「心の奥にある古い思い込み」を見つけて、優しく書き換える心理療法です。
「いつも同じことでつまずく」「性格だから仕方ないと思っている」そんな悩みに特に力を発揮します。
さらに詳しく↓
スキーマ療法は「話して理解するだけ」の療法ではなく、気づく → 感じる → 癒す → 行動を変えるという “体験型” のステップで進めていきます。
ここからは、実際の心理カウンセリングやセルフワークで使われる具体的なやり方・進め方を順番に説明させていただきます。
🌱 スキーマ療法の全体の流れ(5ステップ)
① スキーマを見つける(気づき・アセスメント)
② モード(心の状態)を理解する
③ 感情レベルで癒す(体験ワーク)
④ 新しい考え・行動を練習する
⑤ 日常で定着させる
それでは、順番に詳しくいきます。
① スキーマを見つける(気づき・アセスメント)
まずは「自分はどんな思い込みを持っているのか?」を言語化します。
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⚫︎具体的なやり方
こんな質問を書き出します:
-
なぜかいつも起きる人間関係パターンは?
-
子どもの頃よく感じていた気持ちは?
-
親からよく言われた言葉は?
-
落ち込むとき頭に浮かぶセリフは?
ワーク例(お1人で、セルフでやっていただいて大丈夫です)
【紙に書く】
出来事:_____________
その時の気持ち:_____________
頭に浮かんだ言葉:_____________
昔も同じ気持ちになった場_____________
⚫︎繰り返し出てくるテーマは、スキーマの候補になります
紙に書くワークで頭に浮かんだ言葉が例えば、「どうせ嫌われる」という言葉が浮かんできたら、それは、「見捨てられる」という思い込みのスキーマがある可能性が高いです
また、 「完璧じゃないとダメ」という言葉が浮かんできたら、それはご自身に対して、「自分を律して厳しくしないと」という思い込みのスキーマがあるということになります
② モード(心の状態)を理解する

スキーマ療法では「人の中には、いくつかの人格パーツ(モード)がある」と考えます。
⚫︎【代表的モード】
| モード | 中身 |
|---|---|
| 傷ついた子ども | 不安・寂しい・助けてほしい |
| 怒りの子ども | キレる・衝動的 |
| 厳しい親(インナーペアレント) | ダメ出し・自己否定 |
| 心が健康的な大人 | 落ち着き・思いやり・現実的判断 |
⚫︎まずは「今どのモード?」と、ご自身にラベリングをしていきます
例えば・・・
-
上司に注意された!→ 「自分は注意されて無価値だ」→ 自分自身に対して厳しい親モード
-
LINE既読無視された → パニックなった → 傷ついた寂しい子どもモード
ご自分が今どのモードか、気づくだけでも感情は弱まっていきます
③ 感情レベルで癒す(体験ワーク:ここが核心の重要なワーク!)
ここがスキーマ療法の最大の特徴!
「頭」ではなく「感情」を直接癒していきます。
⚫︎【方法1】 イメージの書き換え(Imagery Rescripting)
【超重要ワーク】やり方
1.子どもの頃のつらい記憶を思い出す
2.その場面をリアルにイメージ
3.今の自分(心が健康的な大人)が登場
4.子どもの自分を助ける・守る・慰める
例えばイメージの中で・・・

◉子どもの頃の自分が怒鳴られている →今の大人の自分が止めに入る。
◉子どもの頃の自分が一人で泣いている →今の大人の自分が 抱きしめてあげる
この超重要ワークをやり続けていくと、「心がもう安全だ」と学習していきます
また、トラウマの感情が軽くなる人が多くいらっしゃいます
⚫︎【方法2】 椅子ワーク(チェアワーク)
椅子を2つ置いて対話するワークです
例えば・・・
-
椅子A:厳しい親モード
-
椅子B:傷ついた子どもモード
- 第三者役:見守っている大人
交互に座って会話をしていきます

(椅子A:親役)「お前はダメだ」
(椅子B:子の役)「そんな言い方は傷つく」
(第三者役:見守っている大人)
・椅子Aの親役に対して「その言い方はやめよう」
・椅子Bの子の役に対して「ちゃんと自分の気持ちを言えたね」って褒めてあげる
この超重要ワークをやり続けていくと、「内なる自己批判」が弱まっていきます
④ 新しい考え・行動を練習する
ここで初めて「認知行動療法的」な練習を始めていきます
例えば・・・
-
NOと言う練習
-
頼る練習
-
完璧をやめる課題
-
小さな成功体験を積む
また、スキーマ(根っこにある思い込み)と逆の行動をあえてやる。これは 行動実験 と呼んだりもします
⑤ 日常で定着させる
コツは毎日少しずつが超大事です!(しかしできない時もOK!ゆるくいく)
おすすめ・・・
-
感情日記を書く
-
モードチェック(今どれ?)
-
自分への優しい声かけ(※セルフコンパッション)
※「セルフコンパッション(self-compassion)」とは、自分への慈しみや思いやりを意味します。 他者を思いやるように、自分自身のことを大切に扱い、落ち込んだときや失敗したときにも、自分を責めるのではなく、受け入れて寄り添うことで、前向きな気持ちを取り戻しやすくなる心理的スキルです。
例えば・・・
✕「また失敗した…最低」
〇「今日はつらかったよね、でもよく頑張ったね」
この言い換えが「心が健康的な大人モード」を育てていきます
🌿 まとめ(シンプル)
スキーマ療法とは「心の奥の子どもを助ける治療」ともいえます
① 気づく
② モードを知る
③ 感情を癒す(イメージ・椅子)
④ 行動を変える
⑤ 習慣化
スキーマ療法は内なる子供を癒していきますので、インナーチャイルド療法に近いところもあります
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