DV

D Vとは


 

DVとは、「ドメスティック・バイオレンス (Domestic Violence)」の略で、家庭内や親密な関係において行われる暴力や虐待のことをいいます。

家庭内や親密な関係において行われる暴力や虐待とは身体的な暴力だけでなく、心理的、性的、経済的、社会的な虐待も含まれます。

 

 

主な形態

⚫︎身体的暴力
・殴る、蹴る、押し倒す、物を投げつけるなど、身体に直接的なダメージを与える行為。

⚫︎精神的・心理的暴力
・侮辱や脅迫、大声で怒鳴る、無視するなど、相手の心にダメージを与える行為。

⚫︎性的暴力
・拒否する権利を無視する、性的な行為についてコントロールする。

⚫︎経済的虐待
・生活費を渡さない、相手の収入を管理する、働くことを禁止するなど、経済的に支配する行為。

⚫︎社会的隔離
・友人や家族との接触を制限する、外出を禁止するなど、相手を社会的に孤立させる行為。

 


 

原因

DVをする原因は、多くの場合、複雑で多岐にわたります。社会的要因や個人的な心理的特徴が絡み合い、それが暴力行為として現れることがあります。

 

⚫︎心理的要因

・劣等感や自己肯定感の低さ
自分に自信がないため、他者を支配することで優越感を得ようとする。

・ストレスやフラストレーションの発散
仕事や人間関係のストレスを親密な相手に向けて発散する

・怒りのコントロールの欠如
感情を適切に管理する能力が低いため衝動的に暴力を振るってしまう。

・支配欲やコントロール欲
相手を支配し、思い通りにしたいという欲求から暴力に及ぶ。

 

⚫︎環境的・社会的要因
家庭内での暴力経験
幼少期に家庭内暴力を目撃または経験した場合、その行動を「普通」と認識し、インナーペアレント(内なる親)の型ができてしまう。そのため同じようなことを繰り返すことがある。

 

⚫︎社会的・文化的影響
男性優位的な価値観やジェンダーに関する偏見が影響し、「パートナーを支配するのは当然」という歪んだ考え方を持つ。

 

⚫︎経済的問題
金銭的な不安や失業などの問題が暴力の引き金になる場合がある。

 

⚫︎精神的・健康的要因
人格障害
反社会性人格障害や自己愛性人格障害などが背景にある場合もあります。

 

⚫︎関係性の問題
不安や嫉妬
相手を失う恐怖や嫉妬心が暴力として表れる場合もある。

 

 

重要なのは、どのような原因があっても、DVを正当化する理由にはならないという点です。加害者は、自らの行動に責任を持ち、適切な治療やカウンセリングを受ける必要があります

また、社会全体がDVの深刻さを理解し、暴力を許容しない風潮を作ることも重要です。支援機関や専門家への相談は、被害者だけでなく加害者にも必要な場合があります。

 

 


 

↓ さらに詳しく「治す方法」

 

DV(ドメスティック・バイオレンス)を治すには、加害者自身が問題を認識し、改善に向けた具体的な行動を取ることが重要です。

 

 

【DVを治すための具体的なステップ】

 

1.自己認識と責任を受け入れる

・自分の行動を振り返る
暴力や虐待的な言動が相手にどのような影響を与えているかを理解する。

・DVは容認できない行為と認識する
DVはパートナー間の力関係を利用した暴力であり、どのような理由があっても正当化できないことを理解する

・とにかく言い訳をしない
ストレスや相手の行動を理由に暴力を正当化しないことが重要です。

 

 

2.専門的な支援を利用する

・心理カウンセリングを受ける
精神的な問題や感情のコントロールなど、心理カウンセラーの助けを受けながら自己の深層心理(暴力の原因など)を理解していくことが重要。

・アンガーマネジメントを学ぶ
怒りを適切にコントロールする技術を学ぶのが有効。衝動的な暴力を防ことができます。

・DV加害者プログラムへの参加
加害者向けの教育プログラムやワークショップに参加することも望ましい。健全な行動を学ぶ機会が提供されています。

 

 

 3.感情や行動のスキルを学ぶ

・コミュニケーション能力の向上
暴力ではなく、対話によって問題を解決する方法を学ぶ。

・ストレス管理
ストレスやフラストレーションを健全な方法で解消するスキル(運動、趣味など)を身につける。

・共感力の向上
相手の感情や立場を理解し、相手を尊重する姿勢を学ぶ。

 

 

4.健全な生活環境の構築

・暴力の引き金を避ける
暴力的な行動を誘発する状況や環境を特定し、可能な限り回避します。

 

 

 5.被害者との距離を取る

・時間を置いて冷静になる
問題解決のためには、必要に応じて物理的・心理的な距離を取ることが求められる場合があります。

・被害者の意志を尊重する
パートナーが希望するなら距離を置き、被害者の安全を最優先に考えます。

 

 

6.再発防止に向けた長期的取り組み

反省を継続する
自分の行動を定期的に見直し、改善を続けていく。

・心理カウンセリングの継続
自己の深層心理を理解し、インナーペアレント(内なる親)の型を書き換えていく作業を継続的に取り組んでいく。

・自己改善に努力する
読書や学習、トレーニングを通じて暴力的な思考を変え、健全な人間関係を築く努力を続ける。

 

 

注意点

・治療には時間がかかる事を理解する
DVの背景には複雑な心理的要因や環境的要因があるため、改善には時間と努力が必要になります。

 

・本人の意思が鍵
改善を望む本人の意思と努力がなければ、長期的な改善は難しいです。

 

・専門家との連携を大切に
自力で解決しようとするのではなく、専門的な支援を積極的に利用することが重要です。

 

DVは重大な問題です。加害者が改善に向けて真剣に取り組み、被害者との関係や自身の人生を良い方向に変えると本気で決めることが大事です。