非行と家族問題

非行と家族問題とは
(ひこうとかぞくもんだい)


 

家族問題がきっかけで非行に走るケースは、珍しくありません。

非行は「性格が悪いから」ではなく、問題の本質は家庭環境によるストレス・孤独・安心感の欠如へのSOSサインとして起こることが多いです。

 

非行の原因

① 愛情・関心の不足(ネグレクト)

  • 親が無関心、会話がない

  • ほめられた経験が少ない

  • 「自分は必要とされていない」と感じる

⚫︎承認欲求を満たすために、仲間集団や不良グループに依存(擬似家族的な存在)

⚫︎万引き・深夜徘徊・暴走などに発展

 


 

② 過干渉・過度な支配

  • 厳しすぎるしつけ

  • 自由がない、意見を言えない

  • 失敗を強く責められる

⚫︎強いストレスや反発心が蓄積

⚫︎「親への反抗」として非行に出る(家出、校則違反、暴力など)

 


 

③ 家庭内不和・DV・暴力

  • 夫婦喧嘩が絶えない

  • 親からの暴力・虐待

  • 怒鳴り声や恐怖のある家庭

⚫︎安心できる場所がない

⚫︎ 感情コントロールが学べない

⚫︎ 攻撃的・衝動的な行動が増える(暴力や犯罪に走るリスクが高くなる)

 


 

④ 貧困・生活不安

  • お金がない

  • 進学や将来に希望が持てない

  • 家庭の役割負担が大きい

⚫︎劣等感や絶望感

⚫︎簡単にお金を得られる非合法手段に手を出す(窃盗・闇バイト・売春など)

 


 

⑤ 家庭内での役割不在(居場所がない)

  • 話を聞いてくれる人がいない

  • 孤独感が強い

  • 家にいても落ち着かない

⚫︎「仲間がいる場所」を求めて夜間外出

⚫︎ 不良交友 → 非行に巻き込まれる

 


 

⑥ 親自身の問題

  • アルコール依存

  • ギャンブル依存

  • 精神疾患

  • 親も元非行歴あり

⚫︎養育機能が弱く、子どもに適切な規範が伝わらない

 


 

共通している本質

多くの場合、

「寂しさ」「不安」「怒り」「認められたい気持ち」



それをうまく言葉で表せない



行動(非行)として表れる

という流れがあります。

 

つまり、非行は「問題行動」ですが、同時にSOSサインでもあります。

 

 

 


 

さらに詳しく↓

 

具体的な改善方法

 

非行の改善には、単に「叱る・罰する」よりも、背景にある心理的・家庭的問題にアプローチする心理療法が非常に重要です。

非行は多くの場合「心のSOS」なので、 感情調整・自己肯定感・対人関係・家庭環境を整える治療が効果的とされています。

 

代表的な心理療法を、実際の支援現場(児童相談所・少年院・スクールカウンセリングなど)でよく使われる心理療法をご紹介いたします

心理療法の目標は「問題を起こさない人」ではなく、自分を大切にできる人」になることです。

 


 

① 認知行動療法

⚫特徴

「考え方(認知)」と「行動」がお互いに影響し合って感情が生まれるという前提に立ち、困りごとを現実的・具体的に改善していく心理療法です。

⚫何をする?

  • 衝動的な考え方の修正

  • 「どうせバレない」「みんなやってる」などの歪んだ認知を修正

  • 怒りのコントロール訓練

  • 問題解決スキル訓練

⚫効果

  • 再犯率低下
  • 衝動性・攻撃性の改善
  •  自己コントロール向上

⚫向いているケース

  • 万引き・暴力・反抗的行動

  • 衝動型・攻撃型

  • ルール違反が多い子

 


 

② 家族療法

⚫特徴

「子どもだけでなく家族全体を治療する」アプローチ。

非行は家庭環境と強く結びつくため、非常に効果が高い。

⚫何をする?

  • 親子コミュニケーション改善

  • 叱り方・褒め方トレーニング

  • 家庭内ルール作り

  • 役割の整理

  • 虐待・過干渉の是正

⚫効果

  • 再非行率の大幅減少
  • 家出・不登校改善
  • 親子関係の回復

向いているケース

  • 親子不和

  • 放任・虐待

  • 家庭に問題が大きい場合

 

家族療法は、実は最重要療法のひとつです

 


 

③ 自己受容
実は、回復の「鍵」は自己受容

⚫特徴

ありのままの自分を、評価・肯定・否定もせず、ただそのままを認める心理療法

⚫何をする?

  • 失敗も傷も含めて、今の自分をそのまま認めること
  • 評価(ジャッジ)をしない
  • ただ認知するだけ

⚫効果

【感情面】

  • 怒りや不安を言葉で表現できる

  • 衝動行動が減る

  • 感情の自己調整が可能

【認知面】

  • 「失敗=自分の価値」ではなくなる

  • 白黒思考が減る

  • 自分の長所短所を現実的に認識

【行動面】

  • 助けを求められる

  • ルールを守る理由を理解している

  • 他者と安定した関係が築ける

【対人関係面】

  • 信頼関係が形成できる

  • 孤立や過度な依存が減る

  • 共感性が高まる

【内的感覚】

  • 「自分はここにいていい」という感覚

  • 存在価値の実感

  • 将来への希望

向いているケース

  • 家庭で否定・比較・支配が強かった
  • 愛着不安・見捨てられ不安が強い
  • 罪悪感と自己嫌悪を抱えているタイプ
  • HSP気質・感受性が強い子の二次的非行

 


 

まとめ(本質)

家族問題 → 自己否定 → 孤立 → 非行という悪循環に対し、

心理療法 → 安全な関係 → 自己理解 → 自己受容 → 行動改善

という回復プロセスが生じます。