家族連鎖(かぞくれんさ)とは
家族間で特定の価値観、行動のクセ、心理的な傾向、社会的なパターンが世代を超えて繰り返し受け継がれる現象のことをいいます。
世代を超えて繰り返し受け継がれる現象とは、本人(自分)から見て、親・祖父母・その上の親など、世代を超えて、本人(自分)は意識していなくても、無意識に負の部分や、善の部分を受け継いでいる現象のことをいいます。
家族連鎖の特徴として、以下のようなものが挙げられます
⚫︎価値観や信念の連鎖
家族が持つ文化的や宗教的な価値観。また教育に対する考え方や金銭感覚など、家族間で引き継がれている。例えば、仕事・生き方・考え方・お金との付き合い方なども連鎖しやすい傾向がある。
⚫︎行動パターンの連鎖
怒りの表現方法やコミュニケーションのスタイル。また家族内での役割(たとえば「家長的な役割」や「犠牲的な役割」)が繰り返されている。
⚫︎心理的・感情的傾向の連鎖
親の不安やストレスが子供に影響を与えている。またその親に育てられた子供も、似た傾向を持つ場合がある。例えば、過保護や過干渉の親から、自分もそのような育て方を無意識に自分の子供にしている。
⚫︎負の連鎖
貧困、家庭内暴力、依存症、または虐待などのネガティブな状況が、世代を超えて家族間で繰り返されている。
家族連鎖を断ち切りたい場合、以下のステップが有効です
⚫︎まずはとにかく、気づくこと(素直に認識する)
どのようなパターンが自分の家族に存在するのかを明確にする。
⚫︎そのパターンがどこから来たのかを調べる。
いつの時代から負の部分があったのかを調べて、客観的に見つめる
⚫︎自己理解を深める
自分自身の行動や感情が、家族の影響を受けていることを認める。自分にも似てるところがあるのではないかと探ること。
⚫︎連鎖を断ち切ると決める
自分の代で、負の家族連鎖を断ち切ると決める。心の深いところにいるインナーチャイルド(内なる子供)と約束をする。
⚫︎今ある良いパターンは良しとして認める。断ち切らずに維持する。
今ある善の部分(ポジティブ)は断ち切らずに維持。またその他の健全でポジティブな行動があればそれを取り入れ、それを自分の子供や次世代に伝える。
⚫︎自分だけでは難しい場合、外部の助けを求める
心理カウンセリングや家族療法、またはグループワークなど、無意識にある負の部分(ネガティブ)に気づき、連鎖を断ち切る方法を学ぶ
家族連鎖の影響
家族連鎖は、ポジティブな影響をもたらす部分もあります。その場合は、その連鎖は断ち切らず維持していきましょう。たとえば、努力や挑戦を重視する家庭の文化などは、人生を豊かにして、成功を生むことがあると思います。
一方で、負の影響を断ち切ることが困難な場合もあります。インナーペアレント(内なる親)の影響で、嫌だったはずの親の負の部分を、無意識に自分の子供にしている。例えば・・虐待、いじめ、その時の機嫌で子供に怒りをぶつけるなど
家族連鎖は多くの家庭にとって必ずある重要な部分です
それを見つめ直すことは、ご本人(自分)や家族の幸せに繋がっていき、人生を大きく左右する重要なことです。