機能不全家族

機能不全家族(きのうふぜんかぞく)とは


 

家族の中で親や子供が、本来の役割や支援がうまく機能せず、家庭内の人間関係が歪んでいる状態のことを機能不全家族といいます。

 

家庭内の人間関係が歪んでいる状態とは、家族一人一人の安全が守られず、適切な保護が与えられず、一人一人の人格が尊重されない家族の状態のことをいいます。

 

 

機能不全家族の特徴として、以下のようなものが挙げられます

⚫︎コミュニケーションの問題
家族間での感情表現が乏しい、否定的な感情ばかりが目立つ。健康的な対話ができない。沈黙が続く家族や、逆に怒鳴り合いが頻発する家族も含まれます。

⚫︎役割の混乱
例えば、親が子供のように振る舞ったり、子供が親のように振る舞ったりと「逆転現象」の混乱があります。これによって、子供が過剰な責任を負ったり、親が自分の役割や責任を果たさない状況があります。

⚫︎コントロールや支配
家族の誰かが、他の家族を過度に支配しようとするケースがあります。例えば、親が子供の生活すべてを管理しようとしたり、意見をとにかく否定したりすることなどです。

⚫︎愛情の欠如
健全な愛情がなく、安心できるという感覚がわからず、子供が自己否定され続けて、その結果自己肯定感を持てなくなり、感情表現にも乏しくなります。大人になっても、どこか生きづらさや空虚感を感じ、他人や自分を愛することができなくなります。

⚫︎不安定な環境
養育者の暴力や、親のケンカなどを目撃する不安定な家族環境。その環境で育てられた子は、安心とか安全とかの感覚が分からず、不安感や不信感を抱きやすい性格になる傾向があります。

 

 

機能不全家族で育った子供は、自己肯定感が低い、不安やうつなどの心理的な問題を抱えやすい傾向があります。

また、成長してからも人間関係において困難を感じることが多く、健全な家族像を築くことが難しくなる場合が多くあります。

ただし、機能不全家族の影響は必ずしも一生続くものではなく、治療や心理カウンセリングを通じて、自己理解や自己成長を進め、健全な人間関係を築くことも可能です。